ちび3Dモデルをかわいく見せるために意識していること|デフォルメ制作の考え方
私は現在、在宅で3Dキャラクターモデル制作の仕事をしています。
主に制作しているのは、海外VTuberさん向けのVRM形式のちび3Dモデルです。
ちび3Dモデルは、ただ頭身を低くすればかわいくなるわけではありません。
頭の大きさ、顔の丸さ、目の位置、手足の短さ、髪型や衣装のデフォルメなど、少しの違いで印象が変わります。
私はもともとイラストでちびキャラを描いていた経験があり、その感覚を3D制作にも活かしています。
この記事では、私がちび3Dモデルをかわいく見せるために意識していることを、実体験ベースでまとめます。
「ちびキャラを3Dでかわいく作るには何を意識する?」
「デフォルメするときの考え方を知りたい」
「3Dモデルのかわいさってどこで変わるの?」
そんな方の参考になればうれしいです。

ちびキャラは頭身バランスが大事
ちび3Dモデルでまず大事だと感じているのは、頭身バランスです。
ちびキャラは頭が大きく、体が小さいデフォルメ表現ですが、ただ頭を大きくすればかわいくなるわけではありません。
頭が大きすぎると重たく見えますし、体が細すぎるとバランスが不安定に見えることもあります。
逆に、体が大きすぎると、ちびキャラらしい小ささや丸さが出にくくなります。
私の場合は、2.5頭身、2頭身、1.5頭身のように、いくつかの体型タイプを用意しています。
それぞれ見た目の印象が違います。
2.5頭身は少しキャラクター感が残りやすく、2頭身はよりマスコット感が出ます。
1.5頭身はさらに小さく、ころっとした印象になります。
どの頭身でも大切なのは、全体を見たときに「小さくてかわいい」と感じられるバランスにすることです。
頭・体・手足の比率を見ながら、ちびキャラとして自然に見える形を意識しています。
顔の丸さと目の位置で印象が変わる
ちび3Dモデルでは、顔の印象がとても大きいです。
特に、顔の丸さと目の位置はかわいさに関わる部分だと感じています。
顔が少し縦長になるだけでも、印象が変わります。
逆に、顔を丸くすると、幼さややわらかさが出やすくなります。
目の位置も大切です。
目を少し下寄りにすると、幼くてかわいい印象になりやすいです。
目が上すぎたり、顔の余白の取り方が合っていなかったりすると、思ったより大人っぽく見えたり、バランスが取りにくくなったりします。
ちびキャラは、顔の中のパーツの少しのズレで印象が大きく変わります。
そのため、目、眉、口、ほっぺ、顔の丸みを見ながら、全体としてかわいく見える位置を探しています。
正面から見たときだけでなく、斜めや横から見たときの顔の丸さも大切です。
3Dモデルはどの角度からも見えるので、立体としてかわいく見える形を意識しています。
手足は短くても動いたときのかわいさを考える
ちび3Dモデルでは、手足の短さもかわいさにつながります。
手足が短いと、マスコットのような印象になり、動いたときもかわいく見えやすいです。
ただ、短くすればするほど、動かしたときのバランスも考える必要があります。
腕が短すぎるとポーズが取りにくくなったり、体にめり込みやすくなったりすることがあります。
足も短いほどかわいい印象になりますが、動いたときに不自然にならないように調整が必要です。
ちびキャラは、静止画でかわいいだけでなく、動いたときのかわいさも大切です。
特にVTuberさん向けのVRMモデルは、実際に配信や動画で動かして使うものです。
そのため、
「手を動かしたときにかわいく見えるか」
「体が揺れたときにバランスが崩れすぎないか」
「小さく動いても表情やシルエットが伝わるか」
を意識しています。
短い手足ならではの、ちょこちょこした動きのかわいさを出せるように考えています。
髪型や衣装は省略と強調のバランスを見る
デフォルメ制作で難しいのが、髪型や衣装の省略と強調のバランスです。
元のデザインをすべて細かく再現しようとすると、ちびキャラでは情報量が多すぎて重たく見えることがあります。
一方で、省略しすぎると、そのキャラクターらしさが薄れてしまいます。
そのため、どこを残して、どこをシンプルにするかを考えることが大切です。
たとえば、髪型なら、
- 前髪の形
- 横髪のボリューム
- 後ろ髪のシルエット
- 特徴的な毛束
- 髪飾りやリボン
など、キャラクターらしさが出る部分を見ます。
衣装なら、
- 目立つ色
- 大きなリボン
- 特徴的な襟や袖
- 印象的な小物
- シルエットに関わる部分
を意識します。
細かい装飾を全部同じ大きさで入れるより、ちびキャラとして見たときに伝わりやすい部分を強調することもあります。
小さくなっても「その子らしさ」が分かるようにする。
それが、デフォルメするときに大切だと感じています。
正面だけでなく横や斜めからのシルエットも大切
3Dモデルでは、正面だけでなく横や斜めから見たシルエットも大切です。
イラストの場合、正面からきれいに見えるように描かれていることがあります。
でも3Dでは、横からも後ろからも見えるので、立体として自然に見える形にする必要があります。
ちび3Dモデルでは、横から見たときの頭の丸みや、髪のボリューム、体の厚みが印象に関わります。
正面はかわいくても、横から見ると平たく見えてしまったり、後ろ姿が寂しく見えてしまったりすると、立体としてのかわいさが弱くなります。
そのため、制作中は何度も角度を変えて確認します。
- 正面からかわいいか
- 横から見ても丸みがあるか
- 斜めから見たときに立体感があるか
- 後ろ姿にもキャラクターらしさがあるか
- 小さく表示してもシルエットが分かるか
こういった部分を見ながら調整しています。
ちび3Dモデルは、全体のシルエットがとても大事です。
細かい部分だけでなく、ぱっと見たときの形のかわいさを大切にしています。
小さく表示してもキャラクターらしさが伝わるようにする
ちび3Dモデルは、配信画面やSNS投稿などで小さく表示されることもあります。
そのため、拡大して見たときだけでなく、小さく表示したときにもかわいく見えることを意識しています。
細かい装飾をたくさん作り込んでも、小さく表示すると見えにくくなることがあります。
逆に、髪型の大きなシルエットや、色のまとまり、表情の分かりやすさは、小さく表示しても伝わりやすいです。
ちび3Dモデルでは、細部の作り込みだけでなく、遠目で見たときの印象も大切です。
特にVTuberさん向けのモデルは、SNSで紹介されたり、配信画面の一部として使われたりすることもあります。
そのときに、
「ぱっと見てかわいい」
「小さくても誰のモデルか分かる」
「表情が伝わる」
「シルエットに特徴がある」
という状態を目指しています。
小さくても印象に残ること。
これは、ちび3Dモデルを作るうえでかなり意識しているポイントです。
海外の方にも伝わりやすいかわいさを意識する
私の場合、海外のVTuberさんからのご依頼が多いです。
そのため、海外クライアントさんに見てもらったときに「かわいい」と感じてもらいやすい見た目も意識しています。
もちろん、海外の方全員が同じ好みというわけではありません。
国や文化、個人の好みによって、かわいいと感じるポイントはそれぞれ違います。
ただ、私の作品を見て依頼してくださる方は、ころっとしたちびキャラ感や、分かりやすいかわいさ、表情の豊かさを気に入ってくれることが多いです。
そのため、
- ぱっと見てかわいいシルエット
- 分かりやすい表情
- 小さくても伝わるキャラクターらしさ
- SNSで目に留まりやすい見た目
- マスコットのような親しみやすさ
を意識しています。
海外向けだからといって、特別に何かを大きく変えているわけではありません。
でも、SNSやポートフォリオで見たときに印象に残りやすいように、見た目の分かりやすさや、かわいさの伝わりやすさは大切にしています。
ちび3Dモデルは、言葉が違っても「かわいい」が伝わりやすい表現だと思っています。
だからこそ、海外のクライアントさんにも届きやすい見た目を意識して作っています。
元のデザインの魅力を残しながらデフォルメする
ちび3Dモデルを作るときに大切にしているのは、元のデザインの魅力を残すことです。
デフォルメするからといって、元のキャラクターらしさがなくなってしまっては意味がありません。
元のデザインには、そのキャラクターらしさが詰まっています。
髪型、目の印象、衣装、小物、色、雰囲気。
その中から、ちびキャラにしたときにも残したい要素を見つけていきます。
ただし、元のデザインをそのまま小さくするだけでは、ちびキャラとしてかわいく見えないこともあります。
細かい装飾が多すぎたり、シルエットが複雑すぎたりすると、小さいモデルでは分かりにくくなることがあります。
そのため、元のデザインを見ながら、
「どこを残すとその子らしさが伝わるか」
「どこを簡略化すると見やすくなるか」
「どこを強調するとかわいくなるか」
を考えています。
元の魅力を残しつつ、ちび3Dとしてかわいく見える形にする。
ここが、デフォルメ制作で一番大事な部分だと感じています。
デフォルメでどこを残すかを決めておくことは、制作をスムーズに進めるためにも大切だと感じています。

イラスト経験がデフォルメ制作に活きている
私はもともと、イラストでちびキャラを描いていた経験があります。
その経験は、ちび3Dモデル制作にもかなり活きています。
イラストでちびキャラを描くときも、頭身や顔のバランス、手足の短さ、表情、シルエットを考えます。
3Dでも、考えることはかなり近いです。
違うのは、3Dでは正面だけでなく、横や後ろも作る必要があることです。
イラストで「かわいく見える形」を考えていた経験があると、3Dでもどこを丸くするか、どこを省略するか、どこを強調するかを考えやすいです。
もちろん、イラストと3Dはまったく同じではありません。
でも、デフォルメの感覚や、キャラクターをかわいく見せる考え方は、かなり共通していると感じています。
ちび3Dモデルは、技術だけでなく、かわいく見せる感覚も大切です。
そこに、イラスト経験が役立っていると思います。

かわいさと動かしやすさのバランス
ちび3Dモデルでは、見た目のかわいさだけでなく、動かしやすさも大切です。
特にVRMモデルとして使う場合、実際にトラッキングして動かすことになります。
見た目を優先しすぎると、動いたときに髪や衣装がめり込んだり、不自然に見えたりすることがあります。
逆に、動かしやすさだけを優先すると、デザインのかわいさが弱くなってしまうこともあります。
そのため、かわいさと動かしやすさのバランスを見ながら制作しています。
たとえば、
- 髪のボリュームを出しすぎない
- 衣装のパーツが体にめり込みにくい形にする
- 小物の位置を調整する
- 表情が見えやすい顔にする
- 動いたときにシルエットが崩れすぎないようにする
といったことを考えます。
3Dモデルは、完成画像としてかわいいだけではなく、使ったときにかわいいことも大事です。
そのため、制作中は見た目と動きの両方を意識しています。
3Dキャラクターモデル制作で実際にどんな工程があるのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。

まとめ|ちび3Dは小ささとキャラらしさのバランスが大事
ちび3Dモデルをかわいく見せるために意識していることをまとめました。
ちびキャラは、ただ頭身を低くすればかわいくなるわけではありません。
頭身バランス、顔の丸さ、目の位置、手足の短さ、髪型や衣装のデフォルメなど、少しの違いで印象が変わります。
また、3Dモデルなので、正面だけでなく、横や斜めから見たシルエットも大切です。
小さく表示してもキャラクターらしさが伝わることや、海外クライアントさんにも届きやすい分かりやすいかわいさも意識しています。
デフォルメするときは、元のデザインの魅力を残しつつ、ちび3Dとしてかわいく見える形に整えることが大切です。
さらに、VRMモデルとして使う場合は、見た目のかわいさだけでなく、動かしたときの使いやすさも考える必要があります。
ちび3Dモデルは、小ささ、丸さ、キャラクターらしさ、動かしやすさのバランスが大事だと感じています。
これからちびキャラやデフォルメ3Dを作ってみたい方の参考になればうれしいです。

