3Dモデリングを時短するためにやっていること|在宅3Dモデラーの効率化メモ
私は現在、在宅で3Dキャラクターモデル制作の仕事をしています。
主に制作しているのは、海外VTuberさん向けのVRM形式のちび3Dモデルです。
3Dモデリングは、ひとつのモデルを作るだけでもかなり時間がかかります。
モデリング、テクスチャ、表情、リギング、Unityでの調整、動作確認など、やることがたくさんあります。
そのため、仕事として続けていくには、ただ頑張って作るだけではなく、効率よく進めるための工夫も大切だと感じています。
この記事では、私が3Dモデリングを時短するためにやっていることを、実体験ベースでまとめます。
「3D制作を効率よく進めたい」
「在宅で3Dモデラーの仕事を続ける工夫を知りたい」
「毎回ゼロから作る以外のやり方があるのか知りたい」
そんな方の参考になればうれしいです。

時短は作業前の仕組みづくりから
3Dモデリングの時短というと、ショートカットを覚えたり、作業スピードを上げたりするイメージがあるかもしれません。
もちろん、ソフトの操作に慣れることも大切です。
でも私の場合、一番大きい時短は、作業前の仕組みづくりだと感じています。
毎回ゼロからすべてを考えるのではなく、
- 商品タイプを決めておく
- 体型や顔のベースを用意しておく
- 表情差分をセット化しておく
- 修正できる範囲を決めておく
- 利用規約を整えておく
- 作業環境を整えておく
こうした準備をしておくことで、制作中に迷う時間や、やり取りの負担を減らせます。

時短は、手を抜くことではありません。
むしろ、仕事として安定して続けるために、必要な部分に集中できるようにする工夫だと思っています。
体型と顔のテンプレート
私の場合、毎回ゼロから体型や顔を作るのではなく、あらかじめ用意しているテンプレートをもとに制作しています。
現在は、2.5頭身・2頭身・1.5頭身のように、複数の体型タイプを用意しています。
顔のベースもある程度決まっているので、毎回まったく新しい顔や体型を一から作るわけではありません。
テンプレートを使うことで、モデリングで大きく作る部分は、主に髪や衣装になります。
もちろん、キャラクターごとに髪型や衣装、色、雰囲気は違います。
そこはしっかり作り込んでいきます。
ただ、体型や顔のベースが決まっていることで、毎回の作業量をかなり抑えることができます。
3Dモデル制作は高額になりやすいイメージがありますが、私の場合は体型や顔のテンプレートを用意することで、毎回ゼロから制作するよりも作業量を安定させています。
その分、制作内容や料金の目安も分かりやすくしやすいと感じています。
テンプレートは手抜きではなく土台
テンプレートを使っているというと、もしかしたら「手抜きなの?」と思う方もいるかもしれません。
でも、私の中ではテンプレートは手を抜くためのものではありません。
かわいく見えるバランスや、動かしやすい構造を安定させるための土台です。
ちび3Dモデルは、少しのバランスで印象が変わります。
頭の大きさ、顔の丸さ、目の位置、体のボリューム、手足の長さ。
そういった部分を毎回ゼロから作ると、作業量が増えるだけでなく、仕上がりの印象にもばらつきが出やすくなります。
あらかじめ自分の作風に合うベースを用意しておくことで、毎回安定した雰囲気のモデルを作りやすくなります。
そのうえで、キャラクターごとの髪型や衣装、色、表情、雰囲気を作り込んでいく。
私にとってテンプレートは、効率化のためだけでなく、作品のクオリティを安定させるための大事な土台です。
モデリング作業は髪と衣装に集中
体型や顔のテンプレートがあることで、モデリング作業では髪や衣装に集中しやすくなります。
キャラクターらしさが出る部分は、髪型や衣装にかなり表れます。
前髪の形、横髪のボリューム、後ろ髪のシルエット、リボンや小物、服の形や装飾など、見る人が「このキャラクターだ」と感じる要素がたくさんあります。
体型や顔のベースを毎回作り直さない分、そうしたキャラクターごとの違いに時間を使いやすくなります。
これは、作業を早くするためだけでなく、完成度を上げるためにも大事だと思っています。
すべてをゼロから作ると、どうしても作業時間が長くなります。
でも、土台を決めておくことで、時間をかけるべき部分に集中しやすくなります。
作風をポートフォリオで見せる
時短につながっていることのひとつが、作風を事前に見せていることです。
私は、自分が作ったちび3DモデルをポートフォリオやSNSに載せています。
そのため、依頼してくださる方は、私のモデルの雰囲気を見たうえで相談してくれることが多いです。
「この作風で作ってほしい」
「このサンプルのような雰囲気が好き」
「この体型タイプでお願いしたい」
というように、最初から方向性がある程度共有された状態で依頼が来ます。
これはとても大きいです。
作風をまったく知らない状態で依頼されると、完成イメージのすり合わせに時間がかかることがあります。
でも、ポートフォリオを見たうえで依頼してもらえると、「どんな雰囲気のモデルになるか」が伝わりやすくなります。
結果的に、カラーラフの修正も少なめです。
最初から作風や完成イメージが共有できていることは、制作の時短にもつながっています。

カラーラフで方向性を確認
私の場合、制作開始時にはまずカラーラフを作ります。
いきなり3Dモデリングに入るのではなく、最初にちびキャラとしての見た目を確認するためです。
カラーラフでは、
- 頭身のバランス
- 髪型や衣装のデフォルメ
- 顔の印象
- 全体のシルエット
- 色の見え方
などを確認します。
この段階で方向性を確認しておくことで、モデリングに入ってからの大きなズレを減らせます。
3Dモデルは、作り始めてから大きく形を変えるのが難しいことがあります。
髪型や衣装を大きく変える場合、モデリングだけでなく、テクスチャや動きの調整にも影響することがあります。
そのため、最初にカラーラフで方向性を確認しておくことは、とても大切です。
カラーラフは手間に見えるかもしれません。
でも、後から大きな手戻りが発生することを考えると、結果的には時短につながっていると思います。
表情差分のセット化
表情差分は、基本的に同じ種類のものを使っています。
毎回ゼロから「どんな表情を作るか」を考えるのではなく、あらかじめ決めた表情セットを使う形です。
表情差分をセット化しておくと、制作内容が安定します。
クライアントさんにとっても、どんな表情が入るのか分かりやすくなります。
作る側としても、作業の流れを組み立てやすくなります。
もちろん、キャラクターごとに顔立ちや雰囲気は違うので、同じ表情名でも見え方は調整します。
笑顔、怒り顔、悲しい顔、驚き顔なども、そのキャラクターらしく見えるように作ります。
ただ、表情の種類そのものを毎回考え直さなくていいだけで、かなり作業が進めやすくなります。
仕様をある程度固定しておくことは、時短だけでなく、サービスとしての分かりやすさにもつながっています。
利用規約でやり取りを減らす
制作の時短というと、作業そのものに目が行きがちですが、実はやり取りの負担を減らすことも大切です。
私の場合、TOS(利用規約)を細かく書いています。
ここでは、支払い、キャンセル、修正回数、納品後の対応、実績掲載、使用範囲などを事前にまとめています。
利用規約を整えておくことで、毎回同じ説明を繰り返さなくて済みます。
また、依頼前に読んでもらうことで、お互いの認識違いも減らしやすくなります。
クリエイターの仕事では、制作そのものだけでなく、
「どこまで修正できるのか」
「いつ支払いが必要なのか」
「納品後の不具合対応はどうなるのか」
「実績として載せてもいいのか」
といった確認も必要になります。
ここを毎回その場で説明していると、かなり時間がかかります。
利用規約を整えることは、トラブル防止だけでなく、やり取りの時短にもつながっています。
料金表と商品タイプの固定
料金表を作っておくことも、時短につながっています。
私の場合、あらかじめモデルの種類や料金を決めています。
クライアントさんは、その料金表やサンプルを見たうえで依頼してくれます。
そのため、毎回ゼロから料金を考える必要がありません。
もちろん、衣装差分や追加パーツなど、依頼内容によって金額が変わることはあります。
でも、基本となる料金表があることで、見積もりの基準が分かりやすくなります。
作る側にとっても、クライアントさんにとっても、最初に目安があるのは安心です。
「このタイプならこのくらい」
「追加がある場合は相談」
という形にしておくと、やり取りもスムーズになりやすいです。
商品タイプを分けておくことは、制作の効率化だけでなく、依頼のしやすさにもつながっていると思います。
作業環境で切り替えを減らす
作業環境を整えることも、時短にはかなり大事です。
私の場合は、複数のモニターや液タブを使って、資料を見ながら作業しやすい環境にしています。
資料を見るたびにウィンドウを切り替えたり、必要な画面を探したりしていると、それだけでも少しずつ時間がかかります。
小さな手間でも、毎日積み重なると大きいです。
たとえば、資料用のモニターを用意しておくと、BlenderやUnityの作業画面を開いたまま、立ち絵や三面図を確認できます。
液タブを使えば、カラーラフやテクスチャ塗りにすぐ移れます。
こうした環境づくりも、作業をスムーズに進めるための時短だと思っています。
ソフトの操作だけでなく、机まわりや画面配置を整えることも、3D制作ではかなり大切です。
使っているソフトや作業環境については、こちらの記事でも詳しくまとめています。


データ管理とバックアップ
データ管理も、時短のために大事な部分です。
3D制作では、ファイル数がかなり多くなります。
Blenderファイル、テクスチャ、Unityプロジェクト、VRMデータ、確認用動画、資料など、ひとつの案件だけでもたくさんのデータを扱います。
ファイルの場所が分からなくなったり、古いデータと新しいデータを間違えたりすると、それだけで時間を失ってしまいます。
そのため、データの整理やバックアップも、作業効率に関わります。
私は、できるだけ後から見返しても分かるように、案件ごとにデータを整理するようにしています。
バックアップを取っておくことも大切です。
万が一データが消えたり、間違って上書きしてしまったりすると、作業時間の損失が大きすぎます。
制作そのものではありませんが、データ管理を整えておくことも、仕事として続けるための大事な時短だと感じています。
Dropboxを使ったデータ管理やバックアップについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

時短は手抜きではなく続けるための工夫
3Dモデリングの時短というと、作業を雑に早くすることのように思われるかもしれません。
でも、私にとっての時短は、手抜きではありません。
仕事として続けるために、必要な部分に集中できるようにする工夫です。
体型や顔のテンプレートを用意することで、髪や衣装、キャラクターらしさに時間を使えるようになります。
表情差分をセット化することで、仕様が分かりやすくなり、作業の流れも安定します。
利用規約や料金表を整えることで、毎回のやり取りを減らし、認識違いも防ぎやすくなります。
作業環境やデータ管理を整えることで、無駄な切り替えや探し物の時間も減らせます。
こうした小さな工夫の積み重ねが、結果的に制作を続けやすくしてくれていると思います。

まとめ|仕組みを整えると制作に集中しやすくなる
3Dモデリングを時短するために、私がやっていることをまとめました。
私の場合は、毎回ゼロからすべてを作るのではなく、体型や顔のテンプレートを用意しています。
そのことで、モデリング作業は主に髪や衣装に集中しやすくなります。
また、ポートフォリオで作風を見せておくことで、依頼時点で完成イメージを共有しやすくなり、カラーラフの修正も少なめです。
表情差分はセット化し、利用規約や料金表も整えておくことで、制作内容ややり取りも安定しやすくなります。
3D制作は、どうしても時間がかかる仕事です。
だからこそ、どこに時間をかけるのか、どこを仕組み化するのかを考えることが大切だと感じています。
時短は、手を抜くためではなく、より大事な部分に集中するための工夫です。
自分の制作スタイルに合った仕組みを整えていくことで、無理なく続けやすい形に近づいていくと思います。

